転職後の会社に提出する「身元保証人」の提示はどんな効果を持つのか

転職の内定が決まって入社時に求められる契約書などの書類の中でちょっと驚いてしまうのが「身元保証人」の提示。

「身元保証人」というとどうしても「借金の連帯保証人」のようなイメージがあり、頼むのもなかなか躊躇してしまうところですし、「そもそも入社するのに身元保証人なんて必要なの?」と思う人も多いでしょう。
この「身元保証人」はなぜ提示しなくてはいけないのか? 誰に頼めばいいのかなど、まとめてみます。

 

会社に重大な損害を与えた場合に賠償責任がある「身元保証人」

そもそもこの「身元保証人」制度はどういうものなのか。
簡単に言うと、会社で働いている際に何らかの過失・あるいは故意によって会社が損害を負った際に身元保証人に賠償できるという制度(会社と保証人間の契約)です。

借金などの連帯保証人とは異なり「身元保証ニ関スル法律」というもので契約期間は最長でも5年、特に指定のない場合は3年と定められています。(契約の自動更新は不可)

第一条  引受、保証其ノ他名称ノ如何ヲ問ハズ期間ヲ定メズシテ被用者ノ行為ニ因リ使用者ノ受ケタル損害ヲ賠償スルコトヲ約スル身元保証契約ハ其ノ成立ノ日ヨリ三年間其ノ効力ヲ有ス但シ商工業見習者ノ身元保証契約ニ付テハ之ヲ五年トス
第二条  身元保証契約ノ期間ハ五年ヲ超ユルコトヲ得ズ若シ之ヨリ長キ期間ヲ定メタルトキハ其ノ期間ハ之ヲ五年ニ短縮ス
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S08/S08HO042.html

この際の賠償の額も借金とは異なり全額賠償というわけではなく、周囲の諸事情を考慮した上で最終的な額が算出される仕組みです。
例えば本人が何かしらの損害を出してしまった場合に、会社の過失はなかったか、管理体制は十分だったかなどが検証され、その結果、保証人の負担額が決まるというわけです。
全額を支払わなくてはいけない借金の連帯保証人と比べると少し軽めの意味になりますね。ただし、それでも損害額が大きければ大きいほど、保証人の負担は増える可能性があるということはあらかじめ覚えておきましょう。

 

提出する法的な縛りもないが、提出しないために入社拒否をしても違法ではない

判例などを調べてみると数千万にわたって賠償が発生したようなケースもあるので、どうしても不安になることもあるかと思います。
そこで「身元保証人を提出しなくてもいいのかどうか?」という話が浮上してきます。

結論から言うと身元保証人の提出は法律で定められたものではないので提出しなくても法的に問題はありません。
ただし、会社側が「身元保証人を必要とする」と考えているのであれば提出する義務があり、提出拒否を理由に採用拒否をしても法律的には問題がない
ことになっています。

提出拒否という強硬策もできなくはないのですが採用拒否で対抗されてしまうと為す術がないので、「どうしても出したくない、不安」という場合には一度会社の人事の人に相談してみましょう。

 

一般的には家族に頼むことが多い

最後にこの身元保証人を誰に頼むかについてです。
一般的にはやはり両親をはじめとする親族であることがほとんどで、次に友人に頼む、というケースが多いようです。
会社によっては二人の身元保証人を立てる、印鑑証明も必要ということもあります。

「親族に頼める人がいない」「友達に頼みたくない」などどうしても身元保証人を立てるのが難しいというような場合、まず最初に会社の人事の人に相談してみてください。
会社によってはあくまで身元証明的な意味合いで取っているようなところもあるので折衷案を出してくれるかと思います。

頼める人がいない場合に「保証代行サービス」というのもあったりするのですが、場合によっては粗悪で詐欺まがいのものもありますので信頼できる人がいない場合にはこれらのサービスを使う前に人事に相談してみたほうがいいでしょう。


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