仕事についての考え事をしていると「あの時、もっと上手くできたのにな」や「どうして自分はもっとうまくできないのだろう」などと考えてしまう人がいます。
考えれば考えるほどドツボにはまっていってどんどん暗い気持ちになっていく…

そんな人はいわゆる「自責の念」が過度に強いのだと思います。
それ自体が悪いことではないのですが、過度になっていくと精神的な疾患が出てきてしまうこともあるので、ここではそんな人向けにどうしたらいいのかを解説します。

「自責の念」とは

まず「自責の念」の意味から。

後悔して自分を責める心持ち。
自責の念とは – 日本語表現辞典 Weblio辞書

読んで字の如く「自分を責める」ということです。
「あの時こうしていれば上手くいったかも」「あの時どうして失敗してしまったのだろう」といった過去のことで悩むことを指します。

一般的な「自責」に対する風潮

この「自責の念」をどういうふうに捉えるのか一般的には以下のように両極端に分かれます。

  1. 世の中のすべての出来事は自分のせいと考えるべき。そうすると自ずと解決策が見えてくる。
  2. 世の中のすべての出来事は自分とは無関係のところに起こる。なるようにしかならないので自分を責めない。

どちらが正しいというわけではなく、適度に息抜きしながらバランスを取っていけばいいのですが、真面目な人は「1」の方を極端に捉えすぎて自分で自分を追い詰めてしまうことが多め。
「自分のせい」「解決策を考える」と意識高いのは良いことのように見えます。ただし、自分を追い詰めすぎるとうつ病などの引き金になることもあり、手放しに「自分のせい」と考えることが素晴らしいとは言えないでしょう。

※もし体調に異変が出ていたらこちらも参考にしてみてください。
仕事が怖くて震える・動悸が止まらないなどの症状が出ていたら黄信号。

問題を自分と一旦切り離して考えてみる

私は「自分の責任の時もあるし、そうじゃない時もある」といった考えいるようにしています。
「思いつめない程度に考えるのがいい」というのが私の結論ですが、頭の中の指針・方向性って自分ではコントロールしづらいところですよね。
真面目な人に向かって「もう少し不真面目になれ」とオーダーしているようなものです。

そこで思いつめて考えがちな人におすすめしたいのが「無機質に」「物理的に」考えるということ。

例を挙げてみましょう。
ある予算を割と大きめに投下したプロジェクトで失敗をしてしまって会社に損失を与えてしまったということがあった場合、以下のように失敗した理由を分解して考えてみます。

  • 指示ミスがあった
  • 確認ミスがあった
  • 人員不足だった
  • 予算不足だった
  • 上司の勝手な指示が引き金
  • メンバーが勝手な行動をしていた

いろいろな要因が出てくるでしょう。
その中で自分がコントロールできるところと自分がコントロールできないところがあるのでそれを分類してみます。
そこでもし、自分に非があるということであれば「次回は同じ失敗をしないようにする」と考えます。

ポイントは「次回は〜」という部分。
前述の「自責の念」の概念であったように「後悔して責める」というのが自責の念のよくないところ。
過去のことを悔いても時間は取り戻せない・どうにもならないので、失敗は将来の投資として使うしかないのです。

事実を事実として受け止めて、コントロールできる将来のことだけに目を向けるようにしましょう。