「すき家・全店長転勤なし」のニュースに見る、転職するかどうかの話

牛丼チェーン店「すき家」が「全店長転勤なし」というニュースを発表していました。

 ゼンショーホールディングス傘下の牛丼チェーン「すき家」が国内約2千店の店長を原則として、転勤がない地域正社員と契約社員に置き換えることを計画していることが29日、わかった。パートやアルバイトから希望者の登用を進め、2020年度末までの実現を目指す。
「すき家」が店長の転勤を原則なくす 地域社員ら起用で、2020年度までに実現

すごく良い試みだと思います。
過去に世間からブラック企業として認定されながら、こうした改善を繰り返していくのは事例として面白いです。

このニュース、今まさにドギツいブラック企業で働いている人にも転職するかどうかを考えるきっかけになるのではないかと感じたのでまとめてみます。

 

企業は追い込まれないと改善しようとしない

2014年、すき家が受け取った「第三者委員会から労働環境改善に向けた報告書」の中にこんな一節がありました。

「経営幹部が長時間労働で手にした成功体験を部下に求めた」

私もかつて飲食業界にいたのでわかりますが、上の人達は自分たちの成功体験こそが全てだと思っていることが多いので「ハードワークをすれば自ずと結果がついてくる」と考えている傾向にあります。

そこでみなさんに考えてもらいたいのが2014年にブラック認定された段階で退職者などが大幅に増えていなかったら今のすき家の改善を重ねる現状があったのかということ。
もし仮にどれだけきつい状況でもみんながみんな我慢していたらすき家は改善していたのか。

私はおそらく全員が我慢しながら働いていたら今のすき家のような改善はなかったと思います。

「この企業ヤバいな」「ここで働いていたら体や精神が持たないな」。
そう考える人が増加し、どんどん退職をしていき深刻な人手不足に陥る。経営陣も今までの方向性を考えざるを得なくなる。会社内で労働環境の改善が進む、といった流れなので、今の環境改善の取り組みはは過去に辞めていった人たちが生み出したものとも言えます。

 
一旦すき家から頭を切り替えて考えてみると、今まさにキツイ環境で働いている人も同じようなことが言えるのでは? と思います。

我慢に我慢を重ねて働いて会社はなんとか回っているものの、なんとか回ってしまっている分、経営陣は「労働環境が問題」と考えることをせず、そのまま環境は改善しない…。

こんな循環が出来上がっていないでしょうか。

 

転職するかどうかは、その企業に自分の人生を賭けられるかどうか

私は「ダメな会社は無理に我慢をせずに辞めてもいい」と思っています。それは「我慢しても基本的に会社は変わらない」と考えているからです。

逆に我慢をしないで辞めると経営陣にきちんと「自分の会社は今従業員にとってダメな状況にあるのかもしれない」と認識させることができて、その会社をきちんとした方向に進ませることができます。すき家はこのタイプですね。

一方で自分が辞めた後に会社が良くなっても自分にとってはあまり意味がないので、「この会社は変わるかもしれない」と考えて、転職せずに会社に残るのも手です。
すき家でブラックの期間を体験してそれでも会社を信じて残っている人は今の恩恵を受けているわけですね。

企業の経営スタイルや、経営者の考え方によって変わってくるので一概に「ダメなら即転職」「我慢をすべき」というのは断定できないのですが、自分の会社が「従業員のことを考えているのか」「あまり従業員のことを考えていないのか」を見て考えてみましょう。

転職するかどうかはその企業に自分の人生の時間を賭けられるかどうか。
長期的な観点で「この会社は自分たちのことを考えてくれるか(考えてくれるようになるか)」を見てみると自分の身の振り方を決めやすくなるんじゃないか。
今回のニュースでそんなことを感じました。


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