飲食のアルバイト募集の求人票を見ていると見出しの部分に「社員登用あり」と書かれていることが多いですよね。
それを見て「ちょっと応募してみようかな」という人の頭の中をよぎる不安が二つ。

  • 本当に登用されることなんてあるのだろうか?
  • バイトからの登用もありってことは人がいないってこと? そんなにきついの?

この二つの観点から元飲食店店長として知っていることをまとめてみますね。

社員登用ありといっても誰でもなれるわけではない

私の勤めていた某飲食チェーンでも社員登用は普通にありました。

知っている範囲でも5人以上いたのでかなり積極的に採用していた方ですね。

ネットの情報などを見ていると「社員登用の試験を受けた人が受からなかった。社員登用ありというのは嘘なのではないか」といったものがありますが、当然のことながら誰でも受かるというわけではありません。

社員になるには

「既に店舗のオペレーションを経験している」「社員として活躍できそうな人材」「ゆくゆくは店長になれそうな人物」

というのが大前提になりますので、社員登用を狙っているのであれば目線をアルバイトよりもひとつ上に上げておくといいでしょう。

例えば…

  • 外食離れが進んでいる中で自分だったらどうやってお店の売上を上げる対策を取るか
  • どのようにすればアルバイトスタッフのモチベーションをあげられるか
  • どのようにすれば付いてきてもらえるリーダーになれるか

以上のような「お店の運営」視点で働くようにするといいでしょう。
もちろんアルバイトとしての通常オペレーション(ホールやキッチンなど全般)もこなせるというのが前提になります。

社員登用の機会が多いのは、人手不足が要因

飲食業が他の業種に比べて社員登用を積極的に行っているのはやはり人手不足です。

すき家の一件(※1)で飲食業界の闇のようなものが露わになりましたが、店舗が増えていく割に人がいないという現状があります。

そしてオフィス街のような人が住んでいないエリアなどを中心にアルバイトすら集まらないような地域もあります。
そういった背景があるのでお店や会社としては人材が喉が出るほど欲しい(※2)のです。

※1.「「すき家」ブラックの実態、第三者委員会から労働環境改善に向けた報告書。過重労働の改善を提言される。」で経営者が社員に長時間労働を強いているような文化が明らかになっています。
※2.「吉野家が城西国際大学大学院と提携。外食産業のビジネスモデルを説明する講座を開く。」では従来とは違う形で人材確保に力を入れている様子が伺えます。

仕事自体はハードワークだが、学歴などが関係ない実力本位の世界

人手不足のところが多いので仕事そのものはかなりのハードワークになることが多いです。
(バイトや店舗のマネジメント、実際に店舗に人が足りない時のオペレーションなど業務は多岐に渡ります)

一方で、学歴などそれまでの背景はまったく関係のない実力本位の世界なので、自分の今の努力や工夫次第でどこまででも伸びられるという良さもあります。
(私は途中で敗退してしまいましたが・・・)

ちなみに「アルバイトから社員」ではなく「アルバイトから社長」になった方もたくさんいるのでその事例を見てみるとまたひとつ目線が上がってくるかもしれませんね。