学校を卒業し、会社員になって1年目が社会人生活の中でもかなり大変な1年だと思います。

会社内での数字を課せられたり、雑用を行ったり、上司に叱られたり…学生時代とは環境が大きく異なるため精神的にもかなり疲弊する時期でしょう。
こうした環境の変化から新卒の方でも1年以内で「辞めたいな」と考える人も少なくありません。

ただ、辞めたいと思っても「それは自分自身の甘えなのではないか」「就職活動ですら苦労したのに辞めたら再就職先が見つからないのではないか」という心配もあるでしょう。

そこで新卒の方が1年以内に「辞めたいな」と思った時に注意したいポイントをまとめてみます。

新卒1年以内の離職率は10〜30%

はじめに新卒1年以内の離職率について知っておきましょう。
厚生労働省が毎年集計を取っているデータによると会社規模にもよりますが10〜30%程度の新卒が1年以内に離職しています。

例えば平成25年の大卒1年目の退職者割合は次のような分布になっています。

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※参照:新規学卒者の離職状況に関する資料一覧|厚生労働省

  • 会社規模 5人未満:32.4%
  • 会社規模 5〜29人:24.2%
  • 会社規模 30〜99人:16.2%
  • 会社規模 100〜499人:12.3%
  • 会社規模 500〜999人:11.1%
  • 会社規模 1000人以上:7.8%

想像していたよりも多かったのではないでしょうか。

「新卒は3年で辞めてしまう」という話も少し前に出回っていましたが、今や1年目でも多くの新卒が離職してしまっているという現実があります。
※厚労省のサイトでは最新のデータが確認できますが年度別に見ても極端に少なくなったり多くなったりすることはありません。

退職理由は給与・経営方針に対しての不満が多い

また少し前のデータ(平成21年)になりますが、おなじく厚生労働省が発表した「第6回21世紀成年者縦断調査(国民の生活に関する継続調査)結果の概況」内の「仕事をやめた者の退職理由」によると男女合わせた退職理由で多いものは次のような順になっています。

  1. 給与・報酬が少なかったから
  2. 会社の経営方針に不満を感じたから
  3. 労働時間が長かった・休暇が少なかったから
  4. 事業又は会社の将来に不安を感じたから
  5. 能力・実績が正当に評価されなかったから

※抽出方法「厚生労働省:第6回21世紀成年者縦断調査(国民の生活に関する継続調査)結果の概況」の男女正規雇用から正規雇用への転職を行った人の合算値を算出し順位付け。

給与や会社の方針、労働時間など、会社そのものの不満が多いのがわかります。

データだけだと会社が悪いのか、単純に自分と合わない会社だったのかはわかりませんが退職理由としては「会社に不満がある」と言い切ってしまって問題ないでしょう。

実際に再就職はできるのか?

このように新卒1年目でも会社に不満を持って退職する人は多くいます。新卒1年目で退職すること自体は特に不自然なことでもないのです。

その一方で将来の不安となってくるのは「再就職できるのか」ということ。

特に学生時代の就職活動でなかなか決まらず苦労したという人であればなおさらですし、そうでなくとも「1年で辞めた人を雇ってくれる会社はないのではないか?」という不安もあるでしょう。

結論から言ってしまうと新卒1年で退職をしても再就職することは可能です。

むしろ新卒3年目までは「第二新卒」と呼ばれるカテゴリで括られており、企業としても「基本的なビジネスマナーが理解できている」「企業に染まっていないフレッシュな存在」として歓迎する会社もあります。

(私の意見)辞めるかどうかの判断基準

第二新卒というカテゴリがあるとなると「辞めたいと思ったらその時が辞め時です!」という論調になってしまいそうですが、安易に転職を行ってしまうと先々苦労することもあるので、ここで(面接官もやっている)私の意見を書いておきます。

あくまで私個人の意見として受け取ってもらって、最終的には自分自身で判断をしてみてください。

伝えたいことは2つです。

  • できれば3年は頑張ってみてほしい
  • ブラック企業なら早く辞めるべき

できれば3年は頑張ってみてほしい

私個人としてはできれば入社した会社で3年間は頑張ってみてほしいと考えています。

冒頭に書いたとおり、社会人1年目の時期は環境が激しく変化するので精神的にはかなり消耗する時期です。
たとえ会社がまっとうな会社で素晴らしくても疲れてしまうのは間違いありません。

環境の変化の疲れを「会社が良くない」と混同してしまうと、もしかするといい会社なのかもしれないのに、いい会社にいられるというチャンスを逃してしまう可能性もあります。

また1年目ではなかなか重要な仕事も任せてもらえなかったり、やりがいのある仕事も少ないと感じることも多いでしょう。

それが仕事を経験していって2年、3年経つにつれ、実力もついてきて大きな仕事をこなせるようになったり、仕事で大きな達成感を得られるようになったりします。
そうなってくると「1年目に辞めないでよかった」と思えることも必ずあります。

私自身、最初は辞めたいと思いながら続けて最終的に「続けていてよかった」と経験したことも多いため、ぜひその機会を逃さないでほしいなと思います。

ブラック企業なら早く辞めるべき

基本的には続けてほしいなというのが個人的な願いですが、「即刻辞めた方がいい」というのはよく話題に上がるブラック企業の場合です。

  • 上司によるパワハラがひどい
  • セクハラが当然のようになっている(相談しても直らない)
  • サービズ残業が多い
  • 休日出勤が多く、手当も出ない

法的におかしいことがあるのであればその会社にいるだけ時間のムダなので早めに転職を視野に入れましょう。
そうした企業で長く頑張ってしまうことで、精神的に参ってしまったりというケースも往々にしてあります。

また上記以外でも自分自身がどうしても精神的に無理そうという場合にも同様です。
あくまで自分が健全に過ごせる環境で仕事はするべきです。

転職する際の注意点

最後に実際に転職をする場合のポイントです。

転職活動においては王道の話ですが、新卒の方はおそらく転職をしたことがないと思うので念頭に入れておいてください。

転職先は決めてから退職をする

転職活動の中でも絶対に守ったほうがいいことです。
転職先を決めないままに退職をしてしまうと、就職が決まらなかった時に大きく焦ってしまったり、焦ってしまうことでブラック企業に妥協して入ってしまったり、といいことがありません。

どんな状況であれ、在職中の転職活動を心掛けましょう。

転職先のリサーチは必ず事前にしっかり行う

今の会社が嫌で退職、他の会社に転職をしても、その転職先がブラック企業であれば転職の意味が全くなくなってしまいます。

「転職して意味がなかった」とならないように事前リサーチはきちんと行っておきましょう。

私がおすすめするリサーチ方法としてはキャリコネのような会社評判サイトを利用して会社内の実情を探ってみたり、転職エージェントの担当者に内情を聞いてみるなどして複数の情報を掴んでおくことです。
転職サイトに掲載されている情報だけで判断するのは危険なので注意しましょう。

もし転職の段取りが決まっていなかったら
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