はじめまして。
書けたよ!」というジャンルめちゃくちゃに何でも書くブログを書いていますkaketayoです。

2009年までIT業界に身を置いていましたが、一念発起して飲食店を開業した経験があり、今回縁があって「飲食店で独立するという事」について書かせて頂くことになりました。

開業に必要なもの、なぜ独立したのかについての体験談になります。

飲食店の独立開業に必要なもの

まず最初に「飲食店の独立開業に必要なもの」についてお話しします。

必要なのは「資金」「手続き」「気持ち」の3つ。

開業資金の準備

独立開業する際に一番気になるのは、どうしても「お金」ではないでしょうか。
誰だってお金の心配がなければ自分の好きな事をやって生きていきたいはずですからね。

独立開業するからには「お金」は今まで以上に切り離して考えられないものになります。

飲食店の独立開業には一般的に「設備資金」と「運転資金」の調達が必要です。

設備資金というのは、お店を造る為に必要なお金のこと。
スケルトン状態のお店を借りるのか、居抜きを借りるのかで倍以上の差が出てきます。

そして運転資金というのは、お店を回す為に必要なお金のこと。
例えば食材を買ったり、消耗品を買ったりする為の資金です。

運転資金はだいたい3ヵ月から半年分は準備しておく必要があります。

これらの資金を開業前に自前で準備しておけるに越した事はありませんが、もし難しければ銀行融資や助成金を利用するという方法も考慮にいれましょう。

特に日本政策金融公庫による融資なら若年層への優遇があったり、低金利で借りられるなど一考する価値ありです。

独立する方法・手続き

飲食店として独立するのに必要な資格というのは、実はありません。
だからこそ業界の参入障壁が低いと言われています。

よく「調理師免許が必要」とか「栄養士の資格が必要」とか思われがちですが、これらは飲食店として独立するのには何の役にも立ちません。

というのも、調理師は「料理人」の為の免許であって、飲食店を経営する「経営者」の免許ではないからです。

なので、手続きとしては管轄の税務署に開業届を出すだけ。あっけなく独立開業できます。

ただし、飲食店として営業を行う為には調理が出来る設備が整っていること、そしてその設備で管轄の保健所から「営業許可書」を発行してもらうこと、さらには設備ごとに「食品衛生責任者」と「防火管理者」を立てる必要などがあります。

これらは出店する地域ごと形態ごとに違いますので、自身が独立開業する場所を管轄する保健所に必ず問い合わせるようにしましょう。

一番大切な「気持ち」

資金や手続きはあくまで「方法」であって、それだけあっても独立開業はできません。
大切なのは「独立開業をする」という気持ち。

多くの人が独立開業したいという想いを持ちながらも出来ずにいます。
それは「資金や手続きの方法がわからないから」ではありません。想いが足りないんですね。

独立開業をしたいと思うからには、強い気持ちがあるはず。
その気持ちを持って突き進めるかどうかが重要です。

なぜ転職ではなく独立だったのか

次になぜ僕が「IT業界から飲食業界への転職」ではなく、突然の「独立開業」を選んだのかについて。

これは「やってみたかったから」という好奇心に他なりません。
飲食業界に興味があったわけではなく、「自分で全ての仕事をコントロールする」という事をやってみたかった。

当時、小さなIT企業に勤めていた事もあり、社長との距離も近かった事が影響しているのかもしれません。

社長のやり方を見ているうちに、自分だったらどうするか?と考えるようになっていきました。

自分で全ての仕事をコントロールするという事に関して、飲食店での独立開業は適しています。
なぜなら、商品の企画・立案、研究・製造、宣伝、接客・・・全て自分でやる事になるから。

飲食業界に転職しただけでは、いきなり全てを体験する事は出来なかったでしょう。

独立してよかったこと、悪かったこと

次に、実際に独立開業して「良かった」と思えたこと、「悪かった」と思う事について。

独立して良かったこと

独立開業をしてみて良かった事としては、大きく分けて2つあります。

1つは前述の通り「全てを体験できること」。

普通に生きていたら、せいぜい数部署の仕事しか知ることはありません。

もちろん会社の歯車として一つの部署のプロフェッショナルになる事は素晴らしいことです。
でも、「違う部署が何をしているのか?」についても考えられるようになるというのは、そうそう出来る体験ではないと思いませんか?

例えば接客をしている時の自分は、お客様目線に近く、より良いサービスを求めます。
ですが、経理をしている時の自分は、いかに経費を削減できるかなど、サービスを脅かしそうになります。

こういった体験があると、後に「もう一度転職」となった時にも潰しが効きやすいですね。
※プロフェッショナルはプロフェッショナルとして転職に強いので一長一短ですが・・・。

もう1つの良かったことは、「物を売る」という事が体感的に学べたこと。

世の中の仕事は基本的には商売として成り立っています。
人が欲するものを造り、売る事でお金を得て、自分や社員に還元するという組織が会社です。

サラリーマン時代は、お金は働いていれば入ってくる物だと思っていました。
独立開業すると、「お金は人の役に立って初めて入ってくる」という事を痛感します。

この感覚さえあれば、今後の人生で仕事がなくなったとしても、「いくらでも自分で作っていける」という自信に繋がりませんでしょうか。

独立して悪かったこと

独立して悪かったことは、友人と疎遠になったこと。

それまではサラリーマンとして17時には仕事をあがって土日は休むという生活をしていたので、その休日に都合がつく友人と付き合っていました。
飲食店として独立開業するという事は、逆に土日が稼ぎ時になります。
※オフィス街は例外。

そうなると必然的に、時間が合いづらくなってきますね。

そして、独立開業してしまうと意識してオン・オフを切り替えないと、常に仕事の事を考えてしまいがちです。
たまに友人と会って遊ぶ時にも仕事の事が頭から離れなかったりします。

友人は羽目を外して遊びたいのに、こっちは仕事の事を考えている・・・自分が逆の立場だったら絶対に嫌です。

もちろん友人と疎遠になってしまうかどうかは自分のさじ加減一つですので、独立開業する前に必ず「オン・オフ」をしっかりと決めておくなど対策を練っておく事は可能です。

独立開業してみたいけれど迷っている人へ

良い事も悪い事もありますが、結局は独立開業するという事から得られる事は多いです。
というのも、人は行動した事からしか経験を得られないから。

例えば美味しいものを食べたという経験は、いくら口頭で説明されても文章で読んでも、食べた本人の体験以上を得る事は出来ません。

故・本田宗一郎氏の言葉でこういうものがあります。

「人生は見たり、聞いたり、試したり
多くの人は見たり聞いたりばかりで、
一番重要な“試したり”をほとんどしない。」

独立開業した人の事を見たり、その話を聞いたりしても、経験は積めません。
それよりも重要なのは「実際にやってみる」という事。

もし迷っているのなら、「やってみる」という選択肢でしか得られない答えがあります。