モスバーガーが健康志向メニューの一環として減塩ドレッシングの導入を発表しました。
元々モスバーガーは、同じハンバーガーを扱うマクドナルドなどのいわゆる「ファストフード」と呼ばれるジャンルと異なり、スローフード思考的な部分がありました。

モスにいったことがある人は分かると思いますが、注文をすると番号札を渡されてしばらく待つ方式で、いわゆる「アフターオーダー方式」(注文の後に作る)というものです。
人に優しいイメージといいますか、ファストフード独特の喧騒感が少ない印象があります。

そのモスがさらに「人に優しい」スタイルの減塩対策を行うとのことで、今回はそちらをピックアップしてみることにします。

和風ドレッシングで減塩対応を開始

今回プレスリリースで出ていたのはこちら。

従来品に比べ25%減塩「和風ドレッシング」を減塩タイプに変更~5/17(火)世界高血圧デーに、各店先着50名様に無料配布~(※PDF)

抜粋してみましょう。

2016年3月からは従来品の約半分のカロリーに抑えた「カロリーハーフマヨネーズタイプ」を導入しています。今回こうした取り組みの一環として、現在、サラダに使用している「さっぱり和風ドレッシング」を従来品より25%塩分を抑えた減塩タイプに変更します。

近年の生活習慣病問題などに自社の強みとして取り組んでいくような感じです。

また同IRで興味深かった一文がこちら。

近年の健康志向の高まりもあり、モスバーガーでは創業から続く「医食同源」の考えのもと、さまざまな取り組みを進めてきました。

「医食同源」とは「医療と食事は根源が同じで、健康的な食事をすることが大事」というもの。今になって考え始めたわけではなく「創業の時より考えていた」というところに好感が持てますね。
冒頭のアフターオーダー方式の話も然り、食を提供するサービスとして他のサービスとは一線を画すサービスを展開しています。今後はメインメニューのバーガーの減塩にも取り組んでいくようです。

飲食業は徐々に健康志向へ行くのかもしれない

モスバーガーの話に限らず、飲食業は高齢化に伴い徐々に健康志向が進んでいくと思われます。
実際に同業界でも健康志向メニューに取り組んでいるところが増えていますし、「ファストフード」というあり方も少しづつ見直されるのかもしれません。
今回のモスフーズの減塩対応の話で言うと、時代に対応したというよりも、「食を通じて生活を豊かにする」という思考が根底にあった経営スタイルがそのまま続き、時代がそこに迎合していったように見えます。
実際問題、急激に方向転換をしようとすると難しいところもあるので今まで健康志向で考えてこなかった飲食業は苦労することになるでしょう。

長期的に見ないとこういう経営方針が合っているかどうかの答えは分からないものですが、モスバーガーの戦略は見事だなと感動しました。