「ヤフーが全従業員対象に週休3日制を検討」という驚きの報道がされています。
少し前に「ユニクロ」のファーストリテイリング社が地域正社員に週休3日制度を導入していますが、全従業員対象というのは異例。
働き方の多様性を広めて優秀な人材の確保につなげることが目的です。

情報ソース:ヤフー異例の週休3日検討 | ロイター

今回のニュースの概要

今回のニュースの概要は以下の通り。

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目的:働き方の多様性を広げて優秀な人材を確保できるようにする

導入事項:全従業員対象に週休3日。また週2日の土日に限定せず自由に選べる。
(その他、新幹線通勤の支給、自宅勤務の上限拡大、自転車通勤をしやすくする駐輪スペースの設置なども検討)
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シンプルですが、なかなか導入できることではないですよね。
しかも大企業でこれをやろうとするのは相当な度量、また日本的な「がむしゃらに働くことがすべて」という思想があっては絶対導入できません。

以前Yahoo!の宮坂社長のインタビュー(2014年)でこんなことが語られていました。

キャリアも含めて、いろいろなことを自分で決めてほしいと思います。仕事にウエイトをおいて仕事をしまくる。あるいは育児や介護にウエイトをおいて、限られた中で仕事を頑張る。どちらもチョイスです。6千人規模の組織では、社員全員がモーレツに働くことは無理ですし、それは器の小さい組織です。会社に対する自分の時間のウエイトのかけ方はいろいろあっていい。今年は仕事を頑張る年にしよう、子どもが生まれたばかりだから仕事は抑えようなど、一人ひとり常に自分で意思決定する。そして、そのチョイスの中でそれぞれがベストを尽くしてもらいたいと思います。
第26回「私の哲学」宮坂学氏 | インターリテラシー

これが2014年のインタビューで、今回週休3日が発表されたのが2016年(実現は数年内を目処)。
働き方の多様性という考え方はずっと社長の根幹にあって、構想を練って練って今に至るんだろうなと思うと少し感慨深いです。

週休3日制度の抱える問題は?

「週休3日」と聞くと(私も含め)一般的には「羨ましい!」と思われがちですが、考えうる問題点もあります。
思いつく限りのものを簡単にピックアップしてみましょう。

  • 本社の従業員が楽になって下請けの仕事が増えるのではないか
  • 週休3日になる分、平日の働く時間が増えるのではないか
  • 給料が減るのではないか

はっきりしたことがまだ公表されていないのでなんとも言えないのですが、どれもありうることですね。

一方で考え方によっては「下請けの会社の仕事が増える=下請けの会社の売上が上がる、雇用が増える」だったり、「週休3日で平日の労働時間も増やさない、とした場合にやることとやらないことの区別を明確に考えるようになる」などの発想もできます。

単純に週休3日で全てがうまくいくようになったという感じではなく、そこから試行錯誤することもたくさんあると思うので、実際に導入してみてどういう風に働き方や周囲の環境が変わっていくのかというのは注目したいところです。

以前「不本意残業」についての話を書きましたが、Yahoo!のような大企業がこうしたことを先進的に会社ぐるみで行なって日本の会社が同じように労働者の働き方を変えていってくれれば…と思ってしまう次第です。