平均年収を調べようとすると様々なサイトで様々なばらばらの情報が出てきて「実際の平均年収って一体どれくらいなの?」と思ってしまいますよね。
年収のデータを取るにしても、どういった分類の人からデータを取っているのかを明確にしないと全く意味のわからないものになってしまいます。
今回は国が発表している「民間給与実態統計調査」(2015年)という調査データから日本の平均年収を各カテゴリに分けて読み解いていくことにします。
国が調査を行って発表している情報なので、信頼性は高い情報です。
※調査の対象者は民間事業所(源泉徴収義務者)に勤務している給与所得者が対象。民間事業所対象なので公務員は対象外です。
年度別平均年収の推移
2005〜2015年までのデータです。

| 年 | 平均年収 |
|---|---|
| 2005年 | 437万円 |
| 2006年 | 435万円 |
| 2007年 | 437万円 |
| 2008年 | 430万円 |
| 2009年 | 406万円 |
| 2010年 | 412万円 |
| 2011年 | 409万円 |
| 2012年 | 408万円 |
| 2013年 | 414万円 |
| 2014年 | 415万円 |
| 2015年 | 420万円 |
おおむね400万円前半を推移していますね。
2009年に一旦落ち込んだものの、ここ数年(2013〜2015年)は上昇している傾向にあります。
年齢別平均年収
次に年齢別です。

| 年代 | 平均年収 |
|---|---|
| 19歳以下 | 132万円 |
| 20〜24歳 | 253万円 |
| 25〜29歳 | 352万円 |
| 30〜34歳 | 397万円 |
| 35〜39歳 | 432万円 |
| 40〜44歳 | 461万円 |
| 45〜49歳 | 486万円 |
| 50〜54歳 | 509万円 |
| 55〜59歳 | 491万円 |
| 60〜64歳 | 372万円 |
| 65〜69歳 | 301万円 |
| 70歳以上 | 304万円 |
50〜54歳で平均年収のピークを迎えます。
このへんは従来の年功序列制度の名残なのかなと思っていて、今後は少し様子が変わってくるのでは…と読んでいます。
年齢別平均年収(男性)
年齢別平均年収(男性)です。
| 年代 | 平均年収 |
|---|---|
| 19歳以下 | 158万円 |
| 20〜24歳 | 271万円 |
| 25〜29歳 | 383万円 |
| 30〜34歳 | 451万円 |
| 35〜39歳 | 510万円 |
| 40〜44歳 | 567万円 |
| 45〜49歳 | 626万円 |
| 50〜54歳 | 670万円 |
| 55〜59歳 | 652万円 |
| 60〜64歳 | 479万円 |
| 65〜69歳 | 378万円 |
| 70歳以上 | 368万円 |
50代前半で670万円とピークを迎えます。
やはり前述の通り年功序列の名残は大きそうです。
年齢別平均年収(女性)
年齢別平均年収(女性)です。

| 年代 | 平均年収 |
|---|---|
| 19歳以下 | 103万円 |
| 20〜24歳 | 233万円 |
| 25〜29歳 | 306万円 |
| 30〜34歳 | 307万円 |
| 35〜39歳 | 299万円 |
| 40〜44歳 | 294万円 |
| 45〜49歳 | 292万円 |
| 50〜54歳 | 296万円 |
| 55〜59歳 | 278万円 |
| 60〜64歳 | 220万円 |
| 65〜69歳 | 194万円 |
| 70歳以上 | 217万円 |
男性と比較すると低めになっているのがわかります。
30〜34歳の307万円がピークになっており、あとは下降傾向です。
こちらも現在女性の社会進出がどんどん進んでいるので数値的には上がっていく方向になるのかなと思います。
都道府県別平均年収
最後に都道府県別平均年収です。
こちらは同じく厚労省「平成27年賃金構造基本統計調査 結果の概況」より抽出しています。
| 年代 | 平均年収 |
|---|---|
| 北海道 | 265.5万円 |
| 青森県 | 235.5万円 |
| 岩手県 | 235.9万円 |
| 宮城県 | 279.9万円 |
| 秋田県 | 235.8万円 |
| 山形県 | 241.4万円 |
| 福島県 | 263.6万円 |
| 茨城県 | 298.9万円 |
| 栃木県 | 290.5万円 |
| 群馬県 | 283.1万円 |
| 埼玉県 | 304.4万円 |
| 千葉県 | 306.0万円 |
| 東京都 | 383.0万円 |
| 神奈川県 | 335.1万円 |
| 新潟県 | 259.9万円 |
| 山梨県 | 284.2万円 |
| 長野県 | 276.2万円 |
| 富山県 | 269.6万円 |
| 石川県 | 274.0万円 |
| 福井県 | 269.6万円 |
| 岐阜県 | 275.6万円 |
| 静岡県 | 287.6万円 |
| 愛知県 | 315.2万円 |
| 三重県 | 291.1万円 |
| 滋賀県 | 292.7万円 |
| 京都府 | 308.8万円 |
| 大阪府 | 327.1万円 |
| 兵庫県 | 298.8万円 |
| 奈良県 | 290.2万円 |
| 和歌山県 | 275.0万円 |
| 鳥取県 | 240.5万円 |
| 島根県 | 252.5万円 |
| 岡山県 | 280.8万円 |
| 広島県 | 282.9万円 |
| 山口県 | 267.8万円 |
| 徳島県 | 272.5万円 |
| 香川県 | 273.2万円 |
| 愛媛県 | 257.5万円 |
| 高知県 | 257.7万円 |
| 福岡県 | 274.7万円 |
| 佐賀県 | 247.1万円 |
| 長崎県 | 250.7万円 |
| 熊本県 | 259.0万円 |
| 大分県 | 253.0万円 |
| 宮崎県 | 238.1万円 |
| 鹿児島県 | 253.3万円 |
| 沖縄県 | 237.2万円 |
都市部が高めの年収になっているのが分かります。
一般企業の抽出しているデータとの乖離は?
ここまでまとめたものは国の調査データからの抽出です。
これを見て「一般企業が出したデータと全然違う」と感じる人がいるかもしれません。
例えば転職サイト・dodaの「平均年収ランキング2015」というデータがありますが、国のデータと比較してみるとかなり大きな違いがあることがわかります。
一例を挙げてみると…
30代の平均年収
(国)
30〜34歳:397万円
35〜39歳:432万円
(doda)
30代平均:456万円
あきらかにdodaの方が多いですね。
これは調査対象としているデータが異なるために出てくる差異です。
dodaのサイトによると「2014年9月~2015年8月の1年間に、dodaエージェントサービスに登録した約22万人のデータ」とあるので、dodaのデータは転職エージェントサービスを利用している人が母体になっていることがわかります。
ここで考えてほしいのは「データを抽出しているサンプルが違うから平均年収が違うのか、なるほど」ということだけではなく、「みずから転職エージェントを使ってより良い職場を探そうとしている人の年収は高い可能性がある」ということ。
ひとつの企業に勤めることが悪いというわけではなく(※)、年収をアップさせようと思ったら転職を一つのステップとして使うのが早いという現実が分かる事例です。
※あくまで年収ベースで考えるとひとつの企業で働いていると大変なことが多いという一般論で、ひとつの企業で勤め上げることは感情的には素晴らしことだと思っています。
もし自分の年収と平均年収を比較してみて「もっと自分の年収をあげたいな…」と感じたら転職を視野に入れてみてもいいでしょう。
もし転職の段取りが決まっていなかったら
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